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 第39回 全国町並みゼミ大内・前沢大会 研修報告

 


 第39回全国町並みゼミ大内・前沢大会が「町並みを次の世代へ〜保存と暮らしの共存〜」をテーマに開催されました。
 大内宿は、観光をベースに若い方が中心となってまちづくりに励んでおられるとお聞きしていたので楽しみに寄せていただきました。
 また今回は、
「熊川宿重伝建選定20周年記念事業」として、11月26〜27日に「第4回北信越町並みゼミ熊川宿大会」を開催しますので、運営方法等も研修させていただこうと6名が参加しました。大会に先立って、宮本会長は前日の理事会から出席しました。

と き:平成28年9月9日(金)〜11日(日)
ところ:福島県南会津郡下郷町大内宿・南会津町前沢集落
参加者:6名



 初日の全体会は福島県南会津の下郷ふれあいセンターで開催されました。佐藤実行委員長、福川町並み保存連盟理事長、来賓の挨拶など開会行事が行なわれました。
 続いて北海道大学西山教授の進行で「町並みを次の世代へ」をテーマに、地元大内宿の吉村徳男氏と岐阜県白川村の和田正人氏の対談が行なわれ、地域の伝統行事や茅葺きの伝統技術の継承、保存地区の交通対策など、両地区での取組みが報告され、地域コミュニティーの持続の重要性を再認識しました。



 続いて行われた全国各地17件の報告では、火災や震災からの復旧を始め、歴史的建造物の保存の訴えなど多彩な活動報告がありました。



 町並みゼミでは、全国を7つのブロックに分けて、まちづくりの推進や組織の活性化、未加盟団体へのアプローチ等が行なわれています。
 熊川宿が所属している北信越ブロックの会議では、東京大学西村幸夫先生、石山さんを始め、7団体と1個人会員の皆さんが参加され、各地の状況や問題点などを共有することができました。妻籠の藤原さんに司会を助けていただきました。
 西村幸夫先生からは、町並みゼミでの情報発信やその活用について「高度化しており今後が楽しみ」とコメントいただきました。





 全体会後の歓迎交流会では、伝建協大会で顔なじみになった方や町並みゼミの個人会員の方など色々な方とお話をさせていただき、各地の情報を教えていただくなど楽しいひとときを過ごしました。





 二日目は、5つの分科会に分かれて町並み見学会や分科会が行なわれ、熊川宿は第1、第2分科会に出席しました。
 大内宿は茅葺き屋根の町並みが特徴です。雪の多い時期には他地区へ葺き替えにも行かれるそうです。そして自分たちで屋根を葺く技術を磨き、順番に葺き替えをしています。また大内宿は自分たちの集落で生活が成り立っており、結によるこの作業も日常の仕事の一部ともいえます。我々熊川宿はサラリーマン世帯が夜や休日にボランティアで活動していることがほとんどで、やはり生業とまちづくりがリンクしていないと持続することは難しいと感じました。
 また、伝建地区で生業が成り立つには、お土産の販売だけでは不可能で、繰り返し来ていただけるような食べ物の提供も不可欠と感じました。



 第1分科会では、西山先生の進行で「町並み保存と活用」をテーマに、現地を見聞きし、よそ者の目から見た大内宿の魅力や課題を掘り起こすワークショップが行われました。大内宿から保存状況についての説明や、妻籠宿から話題提供もありました。最後に各グループでまとめたことが発表され、いろんな意見は我がまちづくりでも大いに参考になる部分がありました。



 第2分科会は、白川郷の和田さんの進行で「人が住み続けられるまち」をテーマに議論されました。岩本氏から、町並み保存と観光のあり方について問題提起され、町並み保存のためには地域経済を成り立たせていくことが不可欠であること、観光の本質は「人の生業がしっかりあること」「衣食住の文化を磨くこと」が基本であるとの思いを共有しました。



 それぞれの分科会交流会では多くの方々と懇親しました。にこやかに暮らし続けることができる大内宿で研修させていただき、熊川宿が目指すべき方向性が見えてきたようで元気が湧いてきました。熊川宿チームは三日目の朝、帰路につきました。

 来る11月26〜27日開催の
「熊川宿重伝建選定20周年記念事業」でまた、多くの皆様にお会い出来ることを楽しみにしています。

(撮影・記事:まちづくり委員会 宮本哲・松見正)

 

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