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 第36回 全国伝建保存地区協議会 総会・研修会 若狭町大会

 

と き:平成26年5月22日(木)23日(金)24日(土)
ところ:若狭町歴史文化館・パレア若狭・熊川宿ほか

熊川宿へ323名 住民あげておもてなし
 全国88市町村108地区の重要伝統的建造物群保存地区が加盟する協議会の第36回総会・研修会が3日間をかけて若狭町や熊川宿を会場に開催されました。予想を大きく超える357名の申込みがあり、22日、全国各地からお越しいただきました。
 若狭町や熊川宿では、行政を中心に半年前から実行委員会や視察研修部会・おもてなし交流部会を立ち上げ、会議や準備を重ねてきました。当日は、各住民団体はじめ、子どもから年配者まで多くの地区民の方々にご参加ご協力いただきました。

 
【第1日目】
総会・事例発表・記念講演・情報交換会

 総会では、海野宿で知られる長野県東御市が来年の開催地に決定しました。
 初めに、パレア若狭を会場に事例発表が行われました。海野宿で知られる東御市さんと熊川宿のお隣小浜西組さんが、まちの紹介やまちづくりの取り組みについて発表されました。

伝建のまちづくりに理解深め
 記念講演会では初めに、熊川宿と交流のあるブータンからお祝いのビデオメッセージが紹介され、西村幸夫先生が「有機的なまちづくり」をテーマに講演。かつて熊川小学校の児童たちと町並みを調査されたことや熊川宿の伝統行事、活動団体を紹介され、「地域環境を守り、現代のニーズに合った環境にプラスになることがやれるか。そして地域経済の活性化に繋げていくことができるか。まちづくりと現代社会のバランスをとることが大切」と話されました。
 最後に、小山高専による「伝建保存地区における総合防災事業の開発」の研究報告がありました。

 その後一行は、会場をレピアに移し情報交換会が開かれました。主催者や来賓の挨拶に続いて、郷土芸能「神子の正月神事(餅つき)」を鑑賞しました。
 情報交換会では、若狭町民宿組合によるお刺身の舟盛りや豪華なお料理が用意され、会場いっぱいの参加者は、食事をしながら銘々に情報交換をされていました。
 終わりには、来年の開催地に決まった長野県東御市さんが紹介され、約20名がPRされました。

【第2日目】
現地視察・住民意見交換会・全体会・情報交換会

 参加者約323名が8班に分かれ、それぞれ語り部2名とサポート係と一緒に熊川宿内を視察研修しました。
 平入や妻入・土蔵が混在しながらも一連の家並みを形成する熊川宿を歩きながら、重要文化財に指定された「荻野家住宅」、平成の名水百選の「前川」、空き家を有効活用した「体験交流施設与七」など20ヶ所余りの説明を聞いて回りました。

元気いっぱい!子ども語り部に感嘆の声
 なかでも地元小学生が元気いっぱい「子ども語り部」を務めました。3〜6年生11人が2ヶ所に分かれ参加者を待ち受けました。旧逸見勘兵衛家は、伊藤竹之助の生家で熊川宿を代表する町家であることを説明。「箱階段は重い人が乗ると穴が空いてしまいます」などとユーモアを交えながら、わかりやすい口調で話していました。
 松木神社では、厳しい年貢の取り立てに身をもって立ち向かった松木庄左衛門を祀っていることなどを説明していました。参加者からは、「よくがんばったね、すごくよかったよ」などと労われていました。
 陣屋跡のいっぷく処では、女性の会のメンバーが葛ようかんと長操飴の振る舞いでもてなしました。
 一行は、熊川小学校体育館で昼食をとりました。アトラクションで熊川小児童が熊川でのイベントや文化祭などの様子を発表し、20名の児童全員が熊川宿の魅力を替え歌で披露しました。参加者たちは、子どもたちの活躍に大きな拍手を贈っていました。

 午後からは、パレア若狭で文化庁講演会が行われ、文化財調査官の金井健氏が「住民と守る伝建地区」をテーマに講演されました。その中で「防災面でハードな整備をして、それに付随して運用していくことでソフト面が向上していく」などと話されました。

まちづくりの思い熱く意見活発
 続いて、4つの会場に分かれて住民意見交換会が行われました。熊川住民代表の司会で、小浜西組の代表の方が書記を務めて下さいました。続いて、住民全体会が開かれ、各司会者から意見交換会のまとめが報告されました。
1班:歴史資源や自然環境について
「自然に逆らわず、自然環境を活かしたまちづくりをしたい」
2班:歴史資源や自然環境について
「住民第一だが来訪者は歓迎しおもてなしをする。観光地化してお店として空き家に入ってもらうのと相反するところは今後の課題か」
3班:防災対策
「歴史の浅い地域は情報収集の機会になったのでは」
4班:公開施設
「予想に反して集客は十分でない。施設が多い所は無人になり困っている」
(各意見は全体会での報告より抜粋)

心からのおもてなし 笑顔交流
 2日目の夜は、熊川小学校体育館で、住民主催の情報交換会が開かれました。熊川在住のエンターテイナー曽我廼家福輔氏の司会で進められ、初めに熊川宿伝統芸能保存会メンバーによるてっせん踊りが披露されました。
 その後、食事をしながらの情報交換会に移りました。周囲には、和牛の鉄板焼き、長操鍋、焼き鯖、鯖寿司、揚げ物、葛まんじゅうの屋台が並び、銘々に好みの料理を食していました。
 中盤にはサプライズがありました。福井県出身の民謡歌手恩地美佳さんによる生唄に合わせてみんなで熊川音頭を踊りました。アンコールもあって大いに盛り上がりました。
 最後に、来年の開催地、長野県東御市の皆さんがステージでPRを行いました。続いて熊川宿まちづくり委員会の河合健一会長および実行委員メンバーがお礼の挨拶をしました。
 帰り道には、グラウンドに陶の灯りで小路を作り、参加者をお見送りしました。「素敵!粋な計らいですね」と喜んでいただきました。

【第3日目】
町内文化財施設等視察・現地視察(オプション)

 町内文化財施設研修では、若狭三方縄文博物館、佐久間記念交流会館、脇袋古墳群、歴史文化館を見学しました。
 午後からはオプションで小浜市へ移動し、市職員の案内で小浜西組の町並みと国宝の明通寺を視察研修し、全日程を終えました。

ー 大会を終えて ー
 3日間を通してまずまずの天候に恵まれ、行政はもとより各住民団体の絶大な協力があって実に多くのスケジュールをこなし、大過なく終えられたことを嬉しく思います。特に女性の方々は、前準備から当日のおもてなし、踊りへの参加など掛け持ちも多く忙しい思いをされたことと思います。参加者もスタッフも終始笑顔がこぼれていたことが印象的でした。皆さん、本当にお疲れ様でした。


スタッフ全員で記念撮影


 
伝建地区パネル展示(左)・東御市事例発表(右)

 
小浜西組事例発表(左)・西村先生記念講演(右)

 
情報交換会会場へ移動(左)・神子の正月神事伝統芸能披露(右)

 
舟盛り(左)・来年の開催地東御市PR(右)

 
現地視察より山車(左)・荻野家住宅(右)

 
懐かしの看板展示(左)・大岩付近(右)


 
旧逸見勘兵衛家で子ども語り部(左)・松木神社で子ども語り部(右)

 
熊川小全校児童による発表(左)・昼食風景(右)

 
住民意見交換会(左)・全体会(右)

 
てっせん踊り(左)・和牛鉄板焼の屋台(右)

 
焼き鯖の屋台(左)・熊川音頭(右)

 
小浜西組現地視察(左)・明通寺視察(右)

(写真・記事:まちづくり委員会 松見兄弟)

 

 

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