2月1日(日)「熊川宿防災まちづくりシンポジウム」が開かれました


 熊川宿では、伝統的建造物群保存地区に選定され12年が経過し、民家の修理や景観整備が着々と進められる一方で、少子高齢化や建物の老朽化といった防災上の不安が生じています。
 これらの課題に対応し、文化財建造物と歴史が育んだ町並みを災害から守り、住民が安心して住み続けることができ、併せて観光客の保護を図るため、住民と行政が協働による「伝建地区若狭町熊川宿の防災まちづくり計画」が策定されました。
 この計画の策定報告と参加者が防災まちづくりについて考え、「災害に強いまちづくり」を実現するためシンポジウムが開催されました。

と き:平成21年2月1日(日)
ところ:熊川児童館
(福井県三方上中郡若狭町熊川)
主催:鯖街道熊川宿まちづくり協議会
後援:社団法人 近畿建設協会



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開会にあたり、河合健一会長、千田千代和町長の挨拶がありました。

第一部 「防災まちづくり計画」の策定報告
策定委員会、防災ワークショップ、住民意識アンケートなどの経過報告がありました。

報告1「防災まちづくり計画」のあらまし
福井宇洋氏
(福井大学大学院助教)
・熊川宿のまちづくりの実績を活かす
・歴史の蓄積と自然環境の条件を活かす
・住民と行政が手を携えて進める
・計画から実践へと着実に進める
・観光客に配慮し他地区との連携をめざす

報告2 住民の取組みとしての活動経過報告
岩本 実氏
(熊川区長)
・熊川区自主防災組織の設立準備を開始した
・前川の管理方法の明確化を図る
・屋根雪下ろしに取り組む仕組みの構築
・他の伝建地区との協力体制の整備

報告3 行政が進める対策について
岡本潔和氏
(若狭町文化財室)
・安全な避難場所の確保
・耐震性能と防火性能を向上させる仕組みの確立
・使用しやすい消火設備の整備
・砂防の点検と排水路整備
・近隣等に火災を自動通報する設備の整備
・観光客対策の確立

報告4 今回の取組みの特徴
鈴木 有氏
(金沢工業大学名誉教授・秋田県立大学名誉教授)
・火災・地震・積雪・風雨・斜面崩壊など、総合防災にふさわしい計画を考えている
・まちづくりの一環として取り組んでいる
・住民・行政の協働をもとに創った
・我が家・自分たち(自助・共助)、行政(公助)、相互の協力関係を確認している
・非常時の備えを普段から考える
この計画は44項目にもわたり、実施主体・実施時期を確認していて、伝建地区として先進の対応になるものと期待される。


〜休憩〜 「みんなで非常食を味わおう!」ということで、炊き込みごはんやわかめごはんなどの非常食を試食しました。


第二部 語り合い 「伝建地区熊川宿の防災まちづくりをどう進めるか?」をテーマに語り合いが行われました。

宮本治美氏
(若狭町熊川宿伝統的建造物群保存地区保存審議会副会長)

・勉強させてもらった。家庭内の防災から心がけていきたい。

宮田勝美氏
(熊川宿町並み相談委員)

・民家改修工事の際の防災対策についての説明不足を感じた。

河合健一氏
(鯖街道熊川宿まちづくり協議会会長)

・盛りだくさんの計画になった。熊川区内に広げたい。

井上和治氏
(NPO法人ラピュタ創造研究所理事)

・熊川は、行政も住民もしっかりしている。

鈴木 有氏
(金沢工業大学名誉教授・秋田県立大学名誉教授)

・住民が主人公になれるかが大切。

岩本 実氏(熊川区長)
自衛消防の活動について
・ポンプ点検、区内夜警、出初式、家庭内警報器取り付け推進などを実施。
・昨年末、ポンプ積載車を買ってもらった。みんなが使えるようにしたい。
・また、先日、区民を対象に、消火器・消火栓の使用訓練を行った。

最後に鈴木有氏が次のようにまとめられ、シンポジウムを閉会しました。
・住民主導で防災まちづくりを進めてほしい。
・日々の暮らしの中で楽しんで取り組んでほしい。

 

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