熊川宿の街道に沿って流れる前川は、近畿一の水質を誇る北川上流の天増川と河内川から取水され、かつては人馬の飲み水として、また生活用水として、さらには下流域の農業用水として利用されてきました。今も昔ながらに「かわと」という水利施設が見受けられ、涼しげな水しぶきをあげて「芋洗い器」が廻っています。夏には子ども達が手足をつけて遊び、冬には厄介な雪を流してくれます。昔と変わらない美しい水質と豊かな水量が保たれて住民の暮らしに欠かせないものとして、また熊川宿の歴史的景観に重要な役割を果たす環境資源となっています。
平成八年からは景観整備が行われ、石積み護岸の前川が町並みと実に良く調和しています。また住民による前川沿いの花の育成や清掃活動が行われ、住民自らが清涼な流れを守り、訪れる人々に潤いと癒しの空間を提供しています。
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